運動不足は高血圧と同リスク!自宅や日常で解消、ウォーキング同等の家事や活動の解説

photo of two women and man jogging with dog on pavement

厚生労働省の”健康づくりのための身体活動基準・指針”の中で、運動不足は高血圧と同リスクで有る事が示されています。
ランニングやウォーキング、スポーツなど運動を楽しむのは素晴らしい事ですが、普段の生活の中である程度の運動量を確保しておきたいものです。
健康づくりのための身体活動基準・指針”では、家事も立派な運動で有る事が示されています。
どのような家事がどのくらい運動になるか?
家事の運動量は、スポーツにどの程度取り組んだ運動量に相当するか?
健康効果は?
それらの疑問について、厚生労働省が出している健康づくりのための身体活動基準・指針”の解説をベースに、日常生活に組み込む方法などまとめます。

    この記事を読むと分かる事 

健康づくりのための身体活動基準・指針”解説

・運動不足の健康リスク

・日常的な活動の効果

・推奨活動量を達成するオススメ運動、家事

・家事の消費カロリーの計算方法

目次

運動不足のリスク、運動の健康効果

世界保健機構WHOは2010年に全世界の死亡に対する危険因子の高さを以下の通り報告しています。

    死亡に対する危険因子

1位高血圧(13%)
2位喫煙(9%)
3位高血圧(6%)
  身体活動の不足(6%)

運動不足を高血圧と同様の健康リスクです。
運動不足により様々な健康上の危険(死亡、生活習慣病発病、がん発症、認知症発症)のリスクが高まる可能性が高いことが明らかになっています。

運動不足が高血圧と同様の健康リスク

というのは恐ろしいですね。

日常的な活動の運動効果について

家事や買い物など、普段の生活においても歩行に加えて様々な動作を組み合わせた活動を行っています。

こうした普段意識していない運動の消費エネルギーを『非運動性熱生産(Non-Exercise Activity Thermogenesis)』NEAT(ニート)といいます。

家事や掃除、子育て、遊びなども全てNEATの一種になり、消費カロリーとして大きな位置を占めます。

こうした通常意識していない運動(NEAT)を意識することで、健康効果が高くなるといいます。

家事を日常的な活動と認識して増やせば、健康レベルが上がり、奥様の機嫌も良くなる。まさに一石二鳥です。

家事やスポーツの運動効果|運動のキツさを表す数値”メッツ値”

メッツ値とは?

ウォーキングやランニング、皿洗いや育児、スポーツなど運動のエネルギー消費の水準は、“メッツ値”という値で示されます。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」に様々な活動の“メッツ値”が示されています。

    メッツ値とは

メッツ値
運動によるエネルギー消費量が、安静にしている時の何倍にあたるかを表した数値

”メッツ値”=”運動のキツさ”

と考えてください。

例)3メッツ
3メッツであれば、安静時より3倍エネルギーを消費している。

代表的な生活活動、家事、運動のメッツ値(運動のキツさ)をまとめました。

家事や育児、ペットの世話など普段の生活活動が高いメッツ値になっており、良い運動になる事が分かります。

スクロールできます
メッツ値
(キツさ)
生活活動運動(スポーツ)
3.0

3.9
3.0 普通歩行(平地、67m/分)
3.0 家財道具の片付け
3.0 子どもの世話(立位)
3.0 台所の手伝い
3.3 フロア掃き、掃除機
3.5 階段を下りる、軽い荷物運び
3.5 床磨き、風呂掃除
3.5 子どもと遊ぶ(歩く/走る、中強度)
3.0 ボウリング、バレーボール、
3.0 社交ダンス、太極拳


3.5 自体重を使った軽い筋トレ(軽・中等度)
3.5 体操(家で、軽・中等度)
3.5 ゴルフ
3.8 全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス)
4.0

4.9
4.0 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)
4.0 階段を上る(ゆっくり)
4.0 動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)
4.0 高齢者や障がい者の介護
4.3 やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)
4.5 耕作、家の修繕

4.0 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1


4.5 水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2
5.0

5.9
5.0 かなり速歩(平地、速く=107m/分)
5.0 動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に)
5.5 シャベルで土や泥をすくう
5.8 子どもと遊ぶ(歩く/走る、活発に)
5.8 家具・家財道具の移動・運搬
5.0 野球、ソフトボール
5.3 水泳(ゆっくりとした平泳ぎ) 、スキー
5.5 バドミントン
6.0

6.9
6.0 スコップで雪かきをする6.0 ゆっくりとしたジョギング
6.0 ウェイトトレーニング(高強度)
6.0 バスケットボール、水泳(のんびり泳ぐ)
6.5 山を登る(0~4.1kgの荷物を持って)
7.0


8.0 運搬(重い荷物)
8.3 荷物を上の階へ運ぶ
8.8 階段を上る(速く)
7.0 サッカー、スキー
7.3 エアロビクス、テニス(シングルス)
7.3 山を登る(約4.5~9.0kgの荷物を持って)
8.3 水泳(クロール、ふつうの速さ)
8.3 ラグビー
10.3 武道・武術(柔道、空手、キックボクシング)

厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」より抜粋

推奨の運動量 ①身体活動量の基準(日常生活で体を動かす量の考え方)

厚生労働省の推奨運動量は以下の通りです。

<18~64 歳の身体活動(生活活動・運動)の基準>

強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う。

23[メッツ・時/週]とは、
”1週間に23[メッツ・時]の運動を行う”
という意味です。

1日3[メッツ・時]の運動をすれば、7日間で
”3×7=21[メッツ・時]”
という計算ができます。

推奨の”1週間で23[メッツ・時]”には、あと2メッツの活動をすれば、基準をクリア出来る計算になります。

3メッツの運動はウォーキング(普通歩行(平地、67m/分))を基準に考えると、上記の基準は以下のように言い換える事ができます。

<18~64 歳の身体活動(生活活動・運動)の基準>(言い換えると・・・)

ウォーキング、または同程度の活動を毎日60分以上行う。

いきなりウォーキングを毎日60分というと時間の確保が難しいでですよね。

でも、私たちは日常生活の中で、意識せずにウォーキングと同程度の活動をしています。

既に日常生活する上での身体活動を意識して増やす運動強度を上げるなどは出来るのでないでしょうか。

     日々の身体活動を増やす事例

  • 家事の時間を増やす
  • 子供と遊ぶ時間を増やす
  • 通勤時の歩行を意識的に早くする
  • 自転車通勤に切り替える

活動例1:日常の家事を増やす

ウォーキング60分に相当する家事は例えば以下の通りです。

スクロールできます
活動メッツ
(キツさ)
時間
朝食の準備、皿洗い
(台所仕事)
3.0
メッツ
20分
ゴミ捨て2.5
メッツ
5分
風呂掃除3.5
メッツ
10分
家の片付け3.0
メッツ
10分
子供の世話
(風呂に入れる、着替え)
3.0
メッツ
15分
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」より抜粋
国立健康栄養研究所 改定版「身体活動のメッツ表」より抜粋

3メッツ以上の家事としては片付けや掃除、風呂掃除、台所仕事、子供と遊ぶなどがあげられています。

それらを組み合わせれば、ウォーキング60分に相当する身体活動が可能ということが分かります。

確実に運動をする方法として家事がオススメです。

活動例2:家や日常生活で出来る運動も意識して取り入れる

家事以外でも家庭で気軽にできる活動で、運動量を増やすことができます。

家で簡単にできる活動でウォーキング60分以上の活動になる組み合わせをあげてみます。

スクロールできます
活動メッツ
(キツさ)
時間
ラジオ体操4.0メッツ5分
自重筋トレ
又は
パワーヨガ
3.5メッツ

4.0メッツ
15分
全身を使うテレビゲームで遊ぶ3.8メッツ30分
階段を意識的に使う4.0メッツ(上り)
3.8メッツ(下り)
10分
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」より抜粋

家事と組みわせて、家で出来る活動を生活に取り入れて運動量を増やせば、さらに健康的にです。

普段の生活の中で消費エネルギーを大きくするため、普段の生活の中で、運動になりそうな方法に切り替えることも考えてはいかがでしょうか。

表であげた例の他にも、普段の歩行を早めに歩く様に意識してみたり、通勤の方法を自転車に変える、などしてみるのも良い方法です。

推奨の運動量 ②運動量の基準(スポーツや運動で体を動かす量の考え方)

息が上がり、汗をかくほどの運動を毎週行った場合、健康リスクが12%も低くなる調査結果を踏まえ、運動量の推奨は以下と定められています。

<18~64 歳の身体活動(生活活動・運動)の基準>

強度が 3 メッツ以上の運動を 4 メッツ・時/週行う。具体的には、息が弾み汗をかく程度の運動を毎週 60 分行う。

スポーツをすれば達成可能ではありますが、家族と過ごす時間でも十分達成可能です。

運動量の基準を満たすオススメ1:子供と公園で遊ぶ

子供と追いかけっこをする。鉄棒の練習を手伝う。バトミントンをする。キャッチボールをする。鉄棒の練習の補助をする。
いずれも5メッツ以上運動になりますので効果は十分です。気持ちのよい運動になります。

運動量の基準を満たすオススメ2:家族で自転車に乗って買い物に行く

自転車で少し遠くのスーパーマーケットなどを往復すれば、それだけでも十分な運動になります。

運動量の基準を満たすオススメ3:家族で登山

休みの日は家族と過ごしたいものです。まして子供が小さいうちは、一緒に出かけて、遊ぶ一回一回が大切な思い出になるはずです。

私のオススメは家族で登山です。自然に囲まれてキレイな景色や、自然の美しさ、怖さを一緒に体験することは、とても良い思い出になると思います。
山登りは6.5メッツの高い運動量になりますので、運動量的にも非常にオススメです。

運動量の基準を満たすオススメ4:全身を使ったテレビゲームで遊ぶ

厚生労働省の運動基準には”全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス)”とあります。

40代の方々は懐かしい”ファミリートレーナー”、”Nintendo Switch リングフィット”など、雨の日でも運動出来るゲームがあると家族と一緒に遊びながら運動出来て良いですね。

運動の消費カロリーの計算方法|便利なサイト紹介

メッツ表の水準と消費カロリーに計算を簡単に行う方法があります。CASIOさん計算サイトを見る事です。

casio Ke!sanサイト

CASIOさんは“計算機メーカーの威信にかけてあらゆる計算サービスを提供”(※HP抜粋)してくれています。

ホームページ:ホーム>健康の計算>消費カロリー>家事の消費カロリー計算

様々な家事の消費カロリーを計算できます。自分の体重と、各項目の時間を入力するだけで、消費カロリーが算出されます。

例えば、体重65kgの人が家事
洗濯15分
買い物60分
料理15分
皿洗い30分
風呂掃除10分
子供と遊ぶ30分
片づけ15分
合計:消費カロリーは 500(kcal)

スポーツの計算も有るので、サイト回ると面白いです。

上記で検索した家事の消費カロリー500(kcal)を他の身体活動と比較するとなかなか厳しい運動になっています。

およそ500kcalの運動(例)

  • ウォーキング(時速4㎞):3メッツで150分(2時間半)(512kcal)
  • ランニング(時速8.3㎞):9メッツで50分(512kcal)
  • 野球(投球):6メッツで75分(512kcal)
  • ゴルフ(手ひきカート):3.5メッツで120分(478kcal)
  • 自重筋トレ:3.5メッツで120分(2時間)以上(478kcal)
  • 山登り(荷物0~4.1㎏):6.5メッツで90分(1時間半)(665kcal)

家事がいかに運動になっているか分かります。
もしも、家事を全て奥様に家事を任せきりの場合、いかに疲れているか想像して労った方が良いですね。

まとめ|家事、育児を意識して運動不足を解消

厚生労働省の”健康づくりのための身体活動基準・指針”の解説と生活改善についてまとめました。

運動不足は健康上の危険因子として問題になっています。

とは言え、厚生労働省が推奨の毎日1時間以上のウォーキング相当の運動をすることは難しい。

ウォーキング同等の運動として、家事や育児を意識して取り組むことで運動不足改善になります。

家族との絆も強くなり、奥様のお機嫌を良くなること間違いなしです。良い事づくめです。

生活改善のお役に立てば幸いです。

また、運動を意識することで健康効果は高まる事から、アップルウォッチなど活動計を持っている方は、是非活用してみてください。

測定データを意識して運量量の向上に努めると宜しいのではないかと。

私は持っていません。うらやましいです。

ではまた。

☆日常の家事、だんなが家事をする意義について、私見まとめていますので宜しければ他のページも見ていってくください。
 合わせてよろしくお願いします。

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